イタリアを旅するのに欠かせない列車での移動。イタリアでは国鉄にあたる「フェッロヴィーエ・デッロ・スタート Ferrovie dello Stato(通称FS)」が運営する「トレニタリア(TRENITALIA)」が全土16,000キロを超える営業区間を持っています。(※下記補足参照)
日本と同じように細長い国土に散らばる都市を結ぶ必要性から、早くから高速線の建設も進んでいたのも特徴です。1930年代には電車による都市間特急が運行され、ETRと呼ばれる高速機関車が続々と開発されました。
日本の在来線・新幹線の関係と決定的に違う点としては、路線の互換性を重視していること。高速線で運行されている列車でも在来線乗り入れが可能となっています。
一昔前まではよく遅れたり運休したりということも多く悪名高かったイタリア国鉄ですが、ここ数年で飛躍的に状況が改善され優等列車では不測の事態が無い限りはかなり正確に運行されるようになりました。あまりの頻度からもはや名物ともまで言われたストライキ(ショーペロ Sciopero)は相変わらずよく行われているものの、都市間列車はかなりの本数が対象外とされることも多くなりました。
トレニタリア以外の路線では私鉄も多く運営されていて、有名どころではミラノ・マルペンサ空港と市内を結ぶノルド線や、プーリア州のスッドエスト線、カンパーニア州のヴェスヴィオ周遊鉄道などがあります。
2012年4月には国内の企業・団体が出資して設立された民営の鉄道会社「NTV(Nuovo Trasporto Viaggiatori)」が、FS・トレニタリアの高速線を利用して運行する高速列車「italo.」の運行を開始しました。民営鉄道会社の高速鉄道参入はEUの規制緩和後初。