「italo(イタロ)」はヨーロッパ初の民営高速鉄道会社「ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ Nuovo Trasporto Viaggiatori(略称NTV)」の運行する高速列車の愛称です。
「高速鉄道会社」といっても自前の線路を持っているわけではなく、イタリア国鉄が管理運営する路線を走る、いわば運行専門の鉄道会社です。
2006年にフィアット社などが中心となって出資・設立され、何度かの開業延期と度重なる試験走行を経て2012年4月に運行を開始。フランス・アルストム社の開発したTGV型の新型車両を世界で初めて営業運転に投入しています。
現在はイタリア国鉄の最速列車であるフレッチャロッサ(ETR500/400)と同じ最高時速300km/hでの運行となっていますが、将来的には360km/hでの運行を目指しています。
フレッチャロッサの鮮やかな赤と対照的に、こちらは落ち着きのある赤(というよりも阪急電車のようなマルーン色)でデザインされた未来的な車両となっています。
italoが開業するにあたって徹底的にこだわったのが、サービスの差別化と充実です。
「Smart(スマート)」は11両編成のうち7号車〜11号車の5両に設定されている、従来の基準でいうところの2等に相当します。 シートレイアウトは2-2のオープンサロンタイプとオーソドックスなスタイルですが、シートはポルトローナ・フラウのリクライニングレザーシートを採用するなど高い居住性とデザイン性を共存させたものとなっています。 先端か最後尾にあたる11号車は「Smart Cinema(スマート・シネマ)」車両として設定されていて、この車両を指定すると19インチのスクリーンで映画鑑賞が可能です。
「Comfort(コンフォート)」は飛行機で言うところのプレミアムエコノミーに相当するクラスで、Smartよりもより広いシートピッチでゆったりと座ることができます。シートレイアウトはPrimaと同じ1-2配列のため、ここはトレニタリアのフレッチャロッサの同等クラスにあたるPREMIUMクラス(2-2配列)との差別化といえるでしょう。
「Prima(プリマ)」は従来の1等に相当するクラス。落ち着いた青に赤いラインのアクセントの入ったレザーシートが特徴で、配列は1-2となっています。Smartよりも座席数が少ない分前後左右の幅は広くなっています。少しうれしいポイントとしては2席並びの部分でも肘掛けの間に少しだけスペースが開いているため、隣の人と同時に肘を置いてもお互いが干渉するリスクが低減されています。 5号車は「Prima Relax(プリマ・リラックス)」という設定で、ここはいわゆる「携帯電話禁止車両」です。イタリアでは車内で携帯電話を利用することはごくごく普通なので、静かにゆっくり過ごしたいという方は是非指定をされることをお勧めします。
「Club Executive(クラブ・エグゼクティブ)」は1号車のみに設定された、ラグジュアリー感溢れるクラス。1両にわずか19席という贅沢なスペースの使い方がされていて、うち4席x2組はコンパートメントタイプとなっています。 シートにはタッチパネル式の9インチディスプレイも装備されていて、雰囲気はまさに飛行機のファーストクラス。
全クラスでWi-Fi接続が可能で、PCはもちろんスマートフォンなどでもインターネット接続が可能です。 但し、利用にはイタリア国内キャリアのSIMカードを利用している携帯・スマートフォンか、italo公式サイトで登録できるIDとパスワードが必要なため、利用される予定のある方は乗車前に登録しておくことをお勧めします。 italoではインターネット回線に通信衛星、UMTS(3G)などを組み合わせて通信速度を自動的に調整するシステムを導入しているため、概ね全区間で接続状況は良好です。
italoには食堂車は連結されていませんが、自分の座席で食事をとることができます。italoの食事サービスは東京・代官山や自由が丘、梅田・阪急百貨店などでお馴染み、トリノに本店を持つイタリア食材専門店イータリー(Eataly)が担当。ランチ・ディナー時間帯に「タリエーレ il Tagliere」「グストーゾ il Gustoso」「オルト l’Orto」の3種類をチョイスすることができ、イタリアの食材をふんだんに使った料理がボックスに凝縮されてサーブされます。
食事サービス「italoBox」の利用について
※Prima・Clubではエスプレッソとワインがサービスに付随しますが、Smartでは食事のみとなります。
※ランチは12:30〜14:30、ディナーは19:30〜21:30の時間帯が乗車時間に含まれることが条件となります。
※乗車時間が短い区間での利用(フィレンツェ〜ボローニャ、ヴェネツィア〜パドヴァなど)では利用できないことがあります。
各車両にスーツケースのような大きな荷物が収容できる荷物置き場、シートの下や背もたれの間、上部の棚などに荷物を置くことができます。italoでは常に防犯カメラが作動しているため、盗難の心配も軽減されています。 「Club」をご利用の方は係員が乗車前にプラットホームで大きな荷物をお預かりします。また、小さい荷物やコート類などは専用のワードローブに保管しておくことが可能です。
イタリア国内の主要駅ではテロ対策のため改札が数十年ぶりに復活していますが、PrimaまたはClub Executiveのチケットを持っている場合はミラノ中央駅(ゲートE)とローマ・テルミニ駅(12番線前ゲート)でファストトラックを利用できます。
現在、italoは以下の3系統で運行されています。(2016年5月現在)
基本的には北部・中部・南部を繋ぐ高速専用線を中心に運行されていて、当初は乗り入れが出来なかったローマ・テルミニ駅など各都市のターミナル駅にも発着するようになり、利便性が大幅に向上しました。
トリノ・ポルタヌオーヴァ駅/ポルタスーザ駅〜ミラノ中央駅/ロゴレド駅〜レッジョ・エミリア〜ボローニャ〜フィレンツェSMN駅〜ローマ・テルミニ駅/ティブルティーナ駅〜ナポリ中央駅〜サレルノ
ブレーシャ〜ヴェローナ・ポルタヌオーヴァ駅〜ボローニャ〜フィレンツェSMN駅〜ローマ・テルミニ駅/ティブルティーナ駅
ヴェネツィア・サンタルチア駅/メストレ駅〜ボローニャ〜フィレンツェSMN駅〜ローマ・テルミニ駅/ティブルティーナ駅
イタロは全列車・全座席指定が必要な列車です。料金は座席指定と乗車券がセットになった包括料金となるため、乗車区間ごとに専用のチケットが必要となります。
ブオナツアーズでは、乗車日120日前から手配が可能です。
ご購入後のキャンセル・変更条件は場合によって異なりますので、その都度ご案内させていただきます。